Steam Link for Raspberry Pi をリモートデスクトップとして使えるか試してみた。
はじめに
私にとって、Steam Link はリモートデスクトップ端末として接続先のグラフィックボードを使えるという点で優秀に感じられ使用していたが、ハードが生産中止とのアナウンスをうけ、壊れたらどうしようと思っていた。そんな矢先、Raspberry Piで使用できるようになったとのアナウンスを見つけ、Raspberry Piで今までどおりの使用ができるか確かめてみた。
20190714追記 半年ほど使用したが安定性にかけるため、Steam Link for Raspberry Piの使用をやめ、オリジナルのSteam Linkを使用している。
些細な問題はあるもののオリジナルのSteam Link 同様にSteam Link for Raspberry Piはリモートデスクトップとして使用することができた。
インストールとオリジナルとの比較、通常使用する際に回避しなければならない共通する問題点をまとめた。
RSコンポーネントRaspberry Pi 3 B +マザーボード
- 出版社/メーカー: Raspberry Pi
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インストール
要件
インストールおよび使用要件は、
にあるように
- PC側でSteamが動いていること
- Raspberry Pi 3B か 3B+ で Raspbian Stretch が動いていること
- 推奨として、有線ネットワーク
インストール
Raspbian Stretchの導入については、現状Raspberry Piの公式からダウンロードしてイメージを焼けば、インストールできるはずで、それについてはいろいろなところで記事が書かれているので、ここでは触れない。
Steam Link for Raspberry Piのインストール方法は、Raspberry Piにログインして
$ sudo apt update $ sudo apt install steamlink
実行
$ steamlink
もしくは、デスクトップにできたSteam Linkのアイコンをダブルクリックする。
当方で起きた実行時の問題
デスクトップにできたSteam Linkのアイコンをダブルクリックして、起動し初期設定はできたものの、実際にPC側に接続する際にアプリが落ちてしまうということが起きた。
そのため、ターミナルからsteamlinkを実行したところ、
failed to open vchiq instance
というエラーが出ていたので、videoグループに起動ユーザを加えた。
オリジナルとの比較
1年ほど前にオリジナルのSteam Linkをリモートデスクトップとして使えるかとして記事を書いた。
その後、アプリがいろいろ更新されて、現状、オリジナルのSteam Linkにおいては、有線LANであれば、できないところを受け入れ、回避方法を取るとリモートデスクトップとしても十分使える。 一方、for Raspberry Pi においても同様なのか、違いはあるのか、リモートデスクトップとして使えるのかを比較してみた。
オリジナル同様、有線LANであれば、できないところを受け入れ、回避方法を取るとリモートデスクトップとして使えるとの感覚を個人的には得た。 オリジナルとfor Raspberry Piを比較して大きな差異はない。
以下にオリジナルとの相違点とfor Raspberry Pi 固有の問題を挙げる。
オリジナルとの相違点は、
- アプリのUIがAndroidのSteam Linkと同様で、オリジナルとは異なるが、設定内容はオリジナルと同様。
- Streaming Latency はオリジナルに比べて、5msほど小さい。
for Raspberry Pi 固有の問題は、
- マウス操作で遅延が起こる。(ドラッグで引っかかりを感じる場合がある)
20190714追記 また、Steam Link for Raspberry Piでは、映像のみ配信が止まる現象が多々起こり、回避方法はあるものの通常使用には耐えられないレベルで起こっている。 特にVisual Studioの使用時に問題が著しく起き、使用できるものではない。
問題点
Steam Linkをリモートデスクトップとして使用する際の問題点を以下に挙げる
ストリーミング停止後、再度接続した際に
- マウスポインタが出現しない。
- PC側のVirtualHere Clientが複数起動する場合があり、再接続できない場合がある。(複数のSteam Linkで接続する場合)
PC再起動時にSteamが起動しないため、接続できなくなる。(ログインが必要ない場合は大丈夫なのか?)
- マウスが効かないWindowがある。
- VirtualHereを使用しないと日本語キーボードで打てないキーが有る
- 文字が滲み、色の組み合わせによっては読みにくいことがある。
まとめ
もともとRaspberryPiからPCにリモートデスクトップ(xfreerdp)で接続していたが、グラフィックボードが使えない点と音がうまく転送できないという点を不満に思っていて、オリジナルのSteam Linkにたどり着いた、そして、RaspberryPiでSteam Linkが使用できることになり、試してみて問題なかったので、すでにオリジナルには退役してもらって、Steam Link for Raspberry Piで普通に使用している。
あくまで、問題点を回避して、問題ないとしているのであって、問題点がないわけではない。問題点以上に、動画が普通にみれて、Android向けの3D アプリのデバッグにAndroid Emulatorが普通に使える。これができるのは素晴らしいと思う。一般受けするものではないが、もし同様の環境の方がいればと思い、書いた。
もし、なにか質問があれば、適宜応えるので、コメントにどうぞ。