なんとなく

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GPL違反の是正に4年半!IO DATAのRockDisk Next

はじめに

IO DATAが運営する直販ショップioplazaで販売していたNASのRockDisk Next(2015春に販売終了)がいわゆるGPL違反で2012/11/07の販売開始より2016/06/16までその状態であった。

前々回

takeshich.hatenablog.com

において2014年07月後半から10月にかけてのサポートとのやり取りよりGPL違反が疑わしい状態で、サポートの回答がひどく、嫌気が差して問い合わせをクローズしたことについて記述した。

前回

takeshich.hatenablog.com

において RockDisk Nextに接続できない障害が発生し調査したところ、どうやら使用しているNICのドライバが怪しく、不具合ではないかという結論になった。 それを検証するには、ソースコードを確認しデバッグするなどの必要があったため、再度ソースコードの開示について問い合わせをおこなった2015年5月から9月までのやり取りを記述した。

今回はその続きである2015年9月頃から2016年6月に是正されたと考えられるまでを記す。

まとめ

やりとりが半年以上と長期間のことのため、経緯が長くなるので、まとめを書いておく。

  • RockDisk Nextは、2012/11/07の販売開始より、2015年春販売が終了し、2016/06/16まで、約4年半に渡り、GPL違反が継続状態であった。
  • 2014年7月に当方からの購入前の「GPLソースコードの開示ができるのか?」という質問に対し、「できる」と回答したのに2014年7月に開示請求後2016年1月までGPLソースコードの開示が完了しない状況であった。
  • GPLについての対応を催促するもIO DATAのサポートは違反が是正されるまで約2年に渡る長期間、嘘を並べ、不適切な対応を行いつづけた。
  • 今回の件を総合すると、株式会社アイ・オー・データ機器の一部に組織的な問題があると考えられる。

IO DATAと消費生活センターと当方とのやりとりの概要

  • 2015年9月

    • サポート:「メーカーから現段階で、まだソースコードの提示がないです。GPLを順守したい」
    • 俺:「で、今後、どう対応するの?ソースコード以外に対応しなきゃいけないのあるよ。」
    • サポート:「しばらくお待ち下さい。」
    • 俺:「IO DATAが購入前にできるって言ったこと1年以上いろいろ言っても対応してくれないんですけど、どうすればいいですかね。」
    • 消費生活センター:「仲介しますので、Takeshichさんから対応してくださいという文書を送ってください。」
    • 俺:「消費生活センターに相談したら、文書送れって言われたから住所教えて」
  • 10月

    • 10/5 俺:書面を発送
    • 10/7 IO DATAに着弾
    • 10/9 消費生活センター:「IO DATAは、書面による回答をしたい。ソースコードの用意ができた、住所を教えてくれとのこと」
    • 10/10 ソースコードのCDROMが到着
    • 俺:「IO DATAからソースコード届いたけど、確認したら話していた必要な物が入ってないんだけど」
    • 消費生活センター:「IO DATAのサポートにやっとつながった。IO DATAから詳細について確認の連絡が行くよ。」
    • 消費生活センター:「技術的なことよくわかんなくて、仲立ちして齟齬があるといけないから、今後はIO DATAのサポートと直接お願いします」
    • サポート:「消費生活センターからは、~と聞いていますが、各項目の具体的な不足点を教えて。再請求するから(製造元に)」
    • 俺:「前に何度もやり取りして伝えているし、サポートからも問題ないか確認してから送るって聞いてたんだけど、なんで送ってくる前に確認してないの?」
    • 俺:「具体的にはこれとこれ」
    • サポート:「しばらくお待ち下さい。」
  • 11月

    • サポート:「入手出来たからメールで送るね」
    • 俺:「他のは?」
    • サポート:「4日前にメールで送った」
    • 俺:「来てないよ。前にメールボックス20MBなの伝えたよね?」
    • サポート:「再送します。」
    • 俺:「一部届かないのがある。来たもののソースコード確認したけど、配布されたバイナリの日付より未来日付のソースコードあるけど何?」
    • 俺:「9月に指摘したソースコード以外に対応しなきゃいけないのあるっていうの対応されてないけど?」
    • サポート:「届いていないものは物理メディアで送ります。配布されたバイナリの日付より未来日付のソースコードについては確認します。」
    • サポート:「ソースコード以外に対応しなければならないものについては弊社内で確認したいことがあるから、追って連絡します。」
    • 俺:「配布されたバイナリの日付より未来日付のソースコードについてきちんと確認がなされた後に、メールで送付してきたソースコードと前回物理メディアで送ってきたのまとめて物理メディアで送ってください。」
  • 12月

    • サポート:「日付の異なるのソースコードについてはファイル管理上の問題でございましたので、ご提供にあたり問題はございません。」
    • 俺:「ん?バイナリファイル生成以後に対象のソースコードの内容が改変がされた可能性が高いから確認しているんだけど理解してる?」
    • サポート:「なんらかの操作で日付が変更されたと思いますが、内容は変更されておりません。」
    • 俺:「はぁ。じゃ物理メディア送ってください」
  • 2016年1月

    • 俺:「正月明けてもまだ物理メディア送られてこないし、11月に確認すると言っていたソースコード以外に対応しなければならないことについていつ対応するの?」
    • サポート:「物理メディア送ります。ソースコード以外に対応しなければならないことについて今しばらくお待ち下さい。」
    • 俺:「ソースコード以外に対応しなければならないことについては、遅くとも1週間もあれば対応できると思うけどできないってどういうこと?」
    • 俺:「具体的にはこういうふうにすればいいんじゃない?」
    • サポート:「ソースコード以外に対応しなければならないことについて対応しましたので確認ください。」
    • 俺:「いや、対応できてないし、指摘しているのはこの条項についてなのですが。」
  • 2016年4月

    • サポート:「先日公開させていただきましたweb上のご案内によりGPLに対応しているとの認識です。」
    • 俺:「2ヶ月半も間開けて回答とか気持ち悪いなぁ。指摘しているのはこの条項です。そのように回答する根拠を教えて下さい。」
    • サポート:「弊社として対応できる内容を検討協議させていただいた結果の対応です。」
    • 俺:「根拠を教えて下さいと聞いているんだけど」
    • サポート:「弊社としてもできる限りの対応を検討して、実はさらにドキュメントの追加対応してました。」
    • 俺:「追加されたドキュメントの内容に不備があるよ」
    • サポート:「確認したいことがございまして、今しばらくお待ち下さい。追って連絡します」
  • 2016年5月

    • 俺:「連絡まだ?」
    • 俺:「連絡まだ?」
    • サポート:「ドキュメントについては修正することになりました。」
    • 俺:「ドキュメントについては修正するって回答もらったけど、まだ修正されてないよ」
  • 2016年6月

    • 俺:「まだ修正されてないよ」
    • サポート:「ドキュメントについて修正しました。」

消費生活センターに相談

2015年9月後半に違う視点からの第三者の介入が必要だと感じ、消費生活センターに相談してみた。

GPLについての説明には難儀したが、

そのため、ご購入前のお問い合わせ | IODATA アイ・オー・データ機器に電話をかけて、RockDisk NextについてはGPLソースコードの開示ができるかどうか確認したところ、オペレーターさんでは即答できなかった。 折り返しをいただいて、RockDisk NextについてはGPLソースコードの開示ができるとのことだった。 詳しくは、購入後にサポートに確認してくださいとの事だった。

GPL違反!? IODataにRockDisk Nextのソース開示請求をしてみた。 - なんとなく

とRockDisk Next購入前にソースコードを開示できる旨を事前に確認していて、それがなされていないことを話したら理解してくれた。 消費生活センターとしては、強制的にIO DATAに開示させるようにするということはできないが、仲介し手助けはできると伝えられ、 IO DATAは購入前に開示できるとしていたが、開示されていないので開示を要求する旨をIO DATAに書面で通知することをアドバイスされた。

今回は、事前確認していたからおそらく消費者契約法の観点から消費生活センターを介することができたが、 しかし、GPL違反のみであったら、著作権法での著作者とIO DATAの問題であって、当方はGPLソースコードを得られる権利は持つが、それに対して消費生活センターに仲介してもらうのは無理だろう。

また、途中からソースコードの話になり仲介者が詳しくなかったため、伝言ゲームが発生するとうまく伝わらないということが起こった。 これはしかたのないことだと思う。

物理メディアでソースコードが送られてきたが

2015/09/28に消費生活センターに相談し、書面で通知したいので書面の送り先の住所を教えてほしいとIO DATAのサポートに伝えた。 2015/09/25にIO DATAのサポートからは、「いつになるかわらないので、申し訳ないが待ってくれ」と返信があったので、消費生活センターに相談した旨を聞いてIO DATAは焦って対応したのだろう。

2015/10/05に書面を送付し、10/07にIO DATAに到着したようだ。 2015/10/08頃にはソースコードの準備ができ、他に請求していた方には連絡があった。*1

私のところには、消費生活センターを経由して2015/10/09に連絡があった。そして、送付先を連絡し、2015/10/10にソースコードのCDROMと書面による回答(ソースコード送ります)が佐川急便で送られてきた。

しかし、中身を確認したところ、

  1. それまでのサポートとのやり取りで伝えていたU-Bootのソースコードが確認できなかった。
  2. それまでのサポートとの対応に強く抗議していたminidlnaのソースがIO DATAが改変したものではなかった。
  3. それまでのサポートとのやり取りで伝えていたファームウェアに対応するものが存在しなかった。
  4. RPMとして頒布されたものに対応する完全なソースコードとして、大部分がSRPMであったが、一部違うものがあった。

弊社でもお客様にご連絡できる内容として確認させて頂いた上でご連絡させていただきたいと 考えております。

と以前のやり取りでサポートから回答されていたが、ご連絡できる内容として確認されたとは到底思えない内容であった。

そのため、消費生活センターに内容に不足があることを連絡し、IO DATAのサポートに伝えてもらった。 IO DATAのサポートになかなかつながらなかったようだ。技術的な内容で消費生活センターの担当者は仲介すると逆に齟齬が生まれる可能性が高いので、IO DATAのサポートと直接やり取りしてくださいということになった。

2015/10/22にIO DATAのサポートから確認があった。

具体的な不足点をお知らせいただけないでしょうか。 その内容をもちまして再請求をさせていただきます。

以前にもらった連絡できる内容として確認することができるならこの質問は不要であるし、本来なら当方に開示する前にすることであるのに全く理解していない脳天気な対応が来た。つまり以前にサポートからもらった、「お客様にご連絡できる内容として確認させて頂いた上でご連絡させていただきたい」という回答は嘘だったわけである。

SPECファイルについて

1ヶ月後の2015/11/16に 3. それまでのサポートとのやり取りで伝えていたファームウェアに対応するソースコードがメールで送られてきた。

また、4. RPMとして頒布されたものに対応する完全なソースコードとして、大部分がSRPMであったが、一部違うものがあった。 に対する回答として

尚、Specファイルに関しては大変恐れ入りますが以前ご回答させていただきましたとお り、GPLでの公開義務の範囲以外にある考えております。提供形態の都合上specファイ ルとしてお送りしております部分はございますが、大変申し訳ございませんがご提供で きるのは既にお送りしております内容までであり、追加のご要望にはお応えいたしかね ます。

とあった。どう解釈していいのかよくわからないのだが、以前以下のように回答してきている。

 また、「SPEC」ファイルにつきまして、SPECファイルは、指定されたシステムや開発 環境に依存する、ソフトウェア開発者が個々に利用するユーティリティであり、GPLで の公開義務の範囲以外にあると認識しております。  そのため、大変申し訳ございませんが、ご要望いただいたSPECファイルをご提供する ことはできない状況でございました。  大変ご面倒をお掛け致しますが、お手元にてコンパイルいただきますようお願い申し 上げます

http://takeshich.hatenablog.com/entry/2015/01/28/161710

IO DATAとしては、RPMとして頒布されたものに対応する完全なソースコードとしてSRPMがありそれにSPECファイルは含まれるため GPLソースコードとして開示しているにもかかわらず、SPECファイルは、指定されたシステムや開発環境に依存する、ソフトウェア開発者が個々に利用するユーティリティでありGPLでの公開義務の範囲以外にある考えているということなのだろうか。

全く意味がわからない。

SPECファイルは、指定されたシステムや開発環境に依存する、ソフトウェア開発者が個々に利用するユーティリティというのであれば、中身を見てみればいいだろう。そうは見えないのにも堂々とそう答えるあたりに無知さを感じる。

これはもう本当に出てこないのだなと思ったし、あまりにも馬鹿げた回答だったので付き合うほど残念な気持ちになりそうだったので追求するのを諦めた。

後日RPMより使われているSPECファイルを探したところ、いろいろなディストリビューションからつまみ食いしているような状況だった。それ自体は問題ないが、製造元がきちんと管理していないから対象のものを出せないのは明白だった。

なお、当方はSPECファイルについては以下のように考える

本当に株式会社アイ・オー・データ機器様の回答としてこれでよろしいのでしょうか?貴社はminidlnaをRPMで配布しています。 specファイルは、RPMつくるためのファイルでrpmbuildに使われるものです。 http://en.wikipedia.org/wiki/RPM_Package_Manager#SPEC_fileGPLv2では著作物のソースコードについては、section3で http://www.opensource.jp/gpl/gpl.ja.html著作物のソースコードとは、それに対して改変を加える上で好ましいとされる 著作物の形式を意味する。 ある実行形式の著作物にとって完全なソースコードとは、それが含むモジュールすべてのソースコード全部に加え、 関連するインターフェース定義ファイルのすべてとライブラリのコンパイルやインストールを 制御するために使われるスクリプトをも加えたものを意味する。と定義されています。RPMで配布されているものに対応する完全なソースコードは、SRPMです。 http://en.wikipedia.org/wiki/RPM_Package_Manager#SRPM specファイルは、当該ソフトウェアについての記述やビルド方法が記述されているものです。 そして、specファイルはSRPMに含まれており、SRPMRPMで配布されているものに対応する完全なソースコードです。したがって、GPLに基いて対応されるべきと私は考えます。本当に本回答をもって貴社の回答としてよろしいのでしょうか? お手数おかけいたしますが、いま一度確認頂ますようよろしくお願いします。

http://takeshich.hatenablog.com/entry/2015/01/28/161710

メールで送れないものを送ろうとしないでください

  1. U-Bootのソースコード
  2. IO DATAが改変したminidlnaのソース

が送られてきていなかったので、「他のソースコードをお待ちしております。」と回答すると

2015/11/12にメールで送ったとのこと、

GPL違反!? IODataにRockDisk Nextのソース開示請求をしてみた。 - なんとなく

のやり取りで

RockdiskNext_Opensourcelist.pdf - Google ドライブ

という意味不明なリストを送ってきた時にExcelのマクロ付きのを添付してきていて、当方の使用するプロバイダのメールサーバがウィルスメールとして添付ファイルを削除していたりしたので、そのやり取りの際に添付ファイルが20MB以上は無理だよということを伝えていた。 おそらくメールが20MB以上になっているのだろうと分割しての再送を依頼した。

しかし、IO DATAが改変したminidlnaのソースは送られてきたが、U-Bootのソースコードは送られてこなかった。 メールが20MB以上なら当方の使用するプロバイダのメールサーバからそれなりのリターンメールがあるはずだから確認して欲しいと伝えた。

後日、当方でU-Bootのソースコードを添付して送ってみたが、20MB以上ではなく、当方の使用するプロバイダのメールサーバで受信できた。 どうやら、IO DATAのメールサーバが送信できないファイルがU-Bootのソースコードの中にあったようだ。

なんで提供されているバイナリのタイムスタンプより未来日付のソースコードがあるんだろう?

開示されたIO DATAが改変したminidlnaのソースを確認したところ、提供されているバイナリのタイムスタンプより未来日付のソースコードが存在したのでこのソースコードは問題ないのか確認した。

およそ1ヶ月後のクリスマスの夜遅くに以下の様な回答があった。

日付の異なるminidlnaファイルにつきましてはファイル管理上の問題でございましたので、 ご提供にあたり問題はございません。

これを確認するのに1ヶ月もの時間を要したのだから、もう少し説明する必要があるだろうと思われるが、理解していないからサポートは説明できないんだろう。 タイムスタンプが変更されるということは、何らかの変更があったわけで、バイナリファイル生成以後に 対象のソースコードの内容が改変がされた可能性が高く、提供されたバイナリファイルに対応する完全なソースコードの一部ではない可能性あるのにその説明は一切なかった。

つまり、貴社が主張するのは、minidlna生成以後に何らかの操作よってtagutils-dff.cのみを変更したが、 minidlnaを生成したソースコードと内容は全く変わっていない。 そのため、提供したソースコードには問題がない ということでしょうか?

と当方から質問したら、そのとおりだと回答があった。本当かどうかは疑わしいが、提供元がいうのだからしかたがない。

U-Bootのソースコードはメールで受領できなかったので、この件が解決したら、今までのソースコード

  1. U-Bootのソースコード
  2. IO DATAが改変したminidlnaのソース
  3. それまでのサポートとのやり取りで伝えていたファームウェアに対応するソースコード

をまとめて送って欲しいとお願いしていたが、2015年内には送られてこなかった。 複数回催促を重ね、やっと開示されたのは、2016/01/16だった。

開示されたのは以下である。

RockDiskNext_Src20160119.zip - Google ドライブ

ソースコード開示以外の対応について

2015年9月に指摘していた以下について

IO DATAは、GPLについて理解している、順守したいと言っているが、そもそも、バイナリのみでの頒布なので、前回記述したようにソースコードを提供する旨の書面を頒布の際に添付しなければならないはずである。上述しているようにもちろんソースコードの開示をしなければならないが、その他にもしなければならないことある。にもかかわらず、対応していないので、対応しなければならないことを理解しているのか、甚だ疑問で、今後本当にきちんと対応してもらえるのかすら、怪しく思える。

GPL違反が継続状態、IO DATAのRockDisk Next - なんとなく

対応がなされないので、2015年11月に再度指摘していた。

今しばらく弊社内にて確認したいことがございまして追っ てご連絡をさせていただきます。

と回答は来たが、2015年のクリスマスを過ぎても対応されないので、再々催促をしていた。 年が明けて、成人の日を過ぎても回答はなく、また催促した。

やっと2016/01/15に回答があったが、

弊社見解を改めてご案内させていただきますが、大変申し訳ご ざいませんが、現時点におきましてもご案内出来かねる次第であり、なるべく早くご連 絡をさせていただきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

だった。

どうも考えるのをやめてしまったようで、何を対応するのか全くわかっていなかったようだったので、

GPL遵守に関してソースコード開示以外にしなければならないことについては 貴社で販売しているGPLを扱っている製品と同様の対応をすればよろしいのではないでし ょうか? 貴社のGPLを扱っている製品では、取扱説明書に製品にはGPLバイナリが含まれ 詳しくはHPを参照という文言があり、頑張ってHP内を検索すると対象のソースコードを 配布する旨が書かれた FAQのページを見つけることができます。 RockDiskNextではそれができていないから指摘しております。 RockDiskNextに添付されていた書面の「はじめにお読みください」を適宜編集し、 書面について紙でなければならないと判断するのであれば、購入者全員に郵送すればい いわけですし、 電子的なものでいいと判断するのであれば、公知しHPに掲載し、 対象のソースコードを配布する旨が書かれたFAQのページを追加すればいいのではないで すか? 紙と判断された時の対応に時間は少々かかるかと存じますが、対応の判断には時間はか からないため 貴社の見解を未だに確認できないということが理解できかねます。

と指摘した。

2016/01/26に対応されたが、これも散々なもので f:id:takeshich:20160622150727p:plain というページが追加されただけで、当方が指摘した後半が対応されたものあった。

そのため、

指摘しておりますGPL遵守に関してソースコード開示以外にしなければならないことについては 著作物にソースコードを配布する旨が書かれた書面による申し出を添えることで http://www.opensource.jp/gpl/gpl.ja.html section3 b)についてです。 RockDisk Nextにおいて著作物に添えられた書面は「はじめにお読みください」のみでした。 貴社のGPLを扱っている製品では、著作物に添えられている取扱説明書に製品にはGPLバイナリが含まれ 詳しくはHPを参照という文言があり、対象のソースコードを配布する旨が書かれた FAQのページがあるから問題ないと思いますが、 RockDiskNextでは、「はじめにお読みください」にその記述がないのが問題だと指摘しているつもりです。

と指摘したが回答はなかった。が。。。

2ヶ月半も何してたの?

2016/01/26に指摘して依頼、回答はなかったので、3月には、2ヶ月ほど経っていたこともあり、回答するのも嫌になっちゃって放置なんだなと思っていて、まぁそれも今までの非常にひどい対応を勘案すると腑に落ちていた。

しかし、4月の前半に2ヶ月半の沈黙を破って

 ご指摘のとおり商品に同梱されている「はじめにお読みください」にはソースコード 配布に関する記述がございませんが、弊社といたしまして先日公開させていただきまし たweb上のご案内によりGPLに対応しているとの認識でございます。

と回答があった。来ないものと思っていた回答が来て、更に時間がかかったことについても何も触れず、さらに同時に記載されていた別件の回答は全くの嘘の回答であったため、とても不快であった。これほどサポートの回答が気持ち悪いと思ったことはいままでなかったし、これ以後もないだろうというほど嫌悪を感じた。また、この回答についても当方が根拠を示しているのに対して、根拠の無いものであったので、根拠を示すように返信した。 また、RockDisk Next以外のIO DATAのNAS製品の取扱説明書をみるときちんと記載されているので、記載の必要性を否定するものと捉えていよいのかとも確認した。

しかし、

ご指摘をいただいている点につきましては、弊社として対応できる内容を検討協議さ せていただいた結果、webページへの記載という形を取らせていただいた次第でござい ます。

RPGに登場する街の人かのように繰り返してきたので、怒りをあらわに根拠を示すように返信した。

実はこの回答より以前に指摘していた「はじめにお読みください」がHPに掲載されていた。

その後

ソースコードに関するご案内につきましては弊社としてもできる限りの対応を検討し てまいりましたが、先日以下のように、公開しておりますマニュアルにも追記させてい ただきました。

という回答があり、「あー、結局理解してない人が対応しているんだ」と思った。 きちんと考えた上での回答であるならば、容易に根拠を答えることができるわけで、2ヶ月半熟成させて、回答してきたものは嘘であり、修正対応をしてきたわけである。

気を取り直して、「はじめにお読みください」の内容を確認すると

「本製品には、GNU General Public License Version3(GPL v3)に基づいた ソフトウェアが含まれています。」

とあり、GPLv2が含まれていない。

これまで「GPLについては理解しています、順守したいと考えています」と回答し、対象のソースコードを開示したうえで、対象のソースコードにはGPLv2が含まれているのにもかかわらず、この記述をしてくるわけである。また、当方から指摘する際にGNUのFAQのリンクを示していたが、それもGPLv2のものであったのにである。

もう本当にいい加減にしろと思いながら、

RockDiskNextにはLinuxカーネルが含まれ、GPL v2に基づいたソフトウェアも 含まれていることになりますが、記述がないのには理由があるのでしょうか?

と2016/04/22に指摘した。

2016/04/27に

暫くお時間をいただき確認させていただきたい事項がございますので、申し訳ございませんが 改めてご連絡をさせていただきます。

と回答があった。ゴールデンウィークを控え、ゴールデンウィーク後の対応にしたいんだなと思った。 修正点は軽微で1行修正することであるから、作業時間としては遅くても2日もあればと思っていた。

その後、1ヶ月経っても連絡がなく、催促すると

ご指摘をいただきました内容につきまして、記載内容を修正させていただくこととな りましのたでご連絡をさせていただきます。

とのこと。

そして、その後2週間経っても修正されないので、サポートの電話窓口に連絡し、担当者から折り返させた。

「現状、文言について検討している最中で、いつまでに修正できるという明確な回答ができない。」

とのことだったので、当方は呆れたトーンで話しをつづけ、 こちらから、「本製品には、GNU General Public Licenseに基づいたソフトウェアが含まれています。」 にしたらいかがですか?と提案した。

その後、1週間以上経った2016/06/16に

ご指摘をいただきました点につきまして、文言を修正いたしました

と連絡があった。

はじめにお読みください」の内容を確認すると

本製品には、GNU General Public License に基づいたソフトウェアが含まれています。

本製品のソースコードの入手方法について|Q&A | IODATA アイ・オー・データ機器のURLを記載されており、2016/01/26に掲載されたFAQが修正されていた。

たったこれだけの修正に2015年9月から2016年の6月まで8ヶ月。ごく一般的な会社であったら、遅くても指摘後数日で対応が完了する量のものである。

なぜこのようなことが起こったか

あくまでも、推測にすぎないが、

  • RockDisk NextはIO DATAの製品ではあるものの台湾のメーカーinXtronのOEM製品である
  • IO DATAの技術者は若干関わったものの*2、担当者がライセンスや技術に疎いバイヤーであった。
  • そのため、販売開始時にコンプライアンスチェックが機能せず、ライセンスに基づいたマニュアルへの記載がなかったし、ソースコードの準備がなかった。
  • minidlnaをDSD対応のため改変した際にもminidlnaはGPLであるため、ライセンスの確認が行われたと思われるが、再度コンプライアンスチェックが機能しなかった。
  • 2014年7月に購入後にソースコード開示請求を行ったのにもかかわらず、またしてもコンプライアンスチェックが機能しなかった。
  • ソースコード開示請求の対応について、担当者がテキトーなことを言ったのはGPL違反!? IODataにRockDisk Nextのソース開示請求をしてみた。 - なんとなくに記載したとおりである。
  • さらにサポートが担当者の話を疑わず、当方からのまっとうな指摘をクレームと思って、嘘の回答をして、煙に巻いたり、呆れて諦めるのをまち、問題を解決しようとする意思がない。
  • サポートのエスカレーション対応にも問題がある。
  • ライセンスについて理解している技術者や法務部門に確認をしてほしいと依頼してもおそらく1度ぐらいしかしていない。
  • その後、ライセンスについて理解している技術者や法務部門からのチェックはされていない。
  • おそらく、RockDisk Nextが販売終了にともなって、担当者が変わり、全く知識がない人が割り振られたので輪をかけて対応がひどくなった。
  • 製造元のinXtronもひどく、さらに担当者もひどく、回答するサポートは流すだけなので、対応のひどさをチェックできる機構がない。
  • 担当者が考えるのをやめてしまった。
  • この対応で問題ないとした組織にも問題がある。

ということが複雑に絡み合って不幸な結果を産んだのだろう。

最後に

IO DATAは、当方からのソースコードの開示請求後、GPL違反を自覚し、そこからその是正に2年も費やしている。 あまりにも意識が低く、企業の対応としてはいかがなものかと思う。

きちんと対応するためには、理解していなければならないし、対応が遅くなればなるほど信用が毀損する問題という認識もないようだ。

IO DATAは

当社は、法令および社会規範を遵守すること(=コンプライアンス)を経営の基本方針のひとつとし、この基本方針を実践するための行動指針となる「アイ・オー・データ機器 行動憲章」を定め、創造性、社会性、公正性のある経営を目指します。


コンプライアンス | IODATA アイ・オー・データ機器

と謳っているのにである。

サポートが理解できないイレギュラーなことが起こった場合、IO DATAのサポートは嘘を並べ、呆れさせたり、黙らせるようなことをし、解決しようとしないので、個人的にはIO DATA製品の購入はおすすめしない。