TCPのことは、ある程度知っていて、データの不変性が確保されているというのは知っている。でも、同じファイルのデータでもNASで音質が変わるというのを体感してしまった今、このもやもやを誰かと共有したい。
DSDファイルをDLNAで使いたいなぁと思っていて、DLNAサーバ側は送り出すだけという内容の記事を拾い読みして、サーバ側のファイルの拡張子を変えたら、AVアンプのSTR-DN2030で再生できた。
この手法を使って、nasneとminidlnaに置いてある同じDSDファイルで聴き比べをしてみたというお話。
聴いている環境はこんな感じ。
minidlnaサーバを使ってDSDを聴く方法
大前提として、DLNAクライアントがDSDの再生に対応している必要がある。当方はSTR-DN2030しか所有していないので他のもので実現できるかは不明。クライアントのソフトウェアの実装に因るところもある。
方法としては、簡単で、サーバ側でファイルの拡張子を変更する(wavとかflacとかサーバが配信できるデータの拡張子にしておく必要はある)
ただし、
サーバ側でDSDに対応しているわけではない。そのため、metadataを反映することはできないので、playlistを作るなり、都度、フォルダーの階層構造に従って再生する必要はある。
また、minidlnaのログに変更した拡張子ではない旨のwarningが出まくる。
minidlnaのソースを見たところ、dsfのヘッダを解析して、DBにINSERTする関数を作成すれば、対応できそう。
ただ、rockdisknextのベータ版のファームで対応しているようで、minidlnaのライセンスはGPLv2なので、正式版になった際に開示請求すれば、作りこむ必要はないと思われるので、今のところは静観。在庫がなくて全然買えなくて、自作した→#RaspberryPi でDSDを配信できるminidlnaを作ってみた。 - なんとなく
かないまるのホームページでの説明変じゃない?でも。。。
高音質NASってあるのかよ。。。
NASが違うと音が違うというのが、聴き比べたことがないからわからない。。。再生する側はアンプだよね。。。 / “かないまる×アイ・オーが明かす、高音質NAS「RockDiskNext」DSD対応の裏側 (1/7) - Phile-…” http://t.co/qs1IT6oK60
— 中村竹七 (@Takeshich) 2014, 1月 3
自分自身でも、信じられなくて、上記のようなツイートをしているのだけど、そのリンク先の記事を読むと、どうやら、NASで音質が変わるらしい。
TCPをある程度理解している技術者として、「そんなことあるか!」と思った。でも、本人が聴いて音が変わると言っているんだから、確かなんだろう。幸い比較できる環境もあるし、試してみるか。ということで試してみた。
ただ、
http://kanaimaru.com/0130813RockDiskNext/5060.htm
においてサーバやネットワークの説明は不適切。複数の専門性が必要な環境だと、こういう説明になっちゃうのかなという感じ。なんかぼんやりしてる。
でも、どうやらためして見た限りでは、現象については正しいようだ。嘘は言ってないようだ。
試してみた
環境
- DLNAサーバ
- nasne
- Rapsberry Piで稼働しているminidlna,データはUSBの外付けHDD
- 前面のUSB接続(SDカードをUSB化するアダプターを使用)から
の3つで
- アーティスト: 朝比奈隆,豊田喜代美,秋葉京子,林誠,高橋啓三,晋友会合唱団,ベートーヴェン,関屋晋,新日本フィルハーモニー交響楽団
- 出版社/メーカー: フォンテック
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の第九の第一楽章を2011年ごろにとある方法でdsfにしたものを使用し、STR-DN2030で再生。
個人的感想
音質というより、音の色が違って聴こえた。それが音質ということ?
- minidlnaはnasneに比べると、こもったような音がした。
- 前面のUSBはクリアなのだがクリアすぎて荒い音。nasneに比べると汚いと思えるぐらい。
- 3つの中では、nasneがクリアで耳に優しく聴きやすかった。
第九以外のデータでも聴き比べてみたけど、音の色についておいてある場所の違いで、列挙したのと同じ特性が感じられた。
念の為に、前提知識なしに嫁に聴いてもらって確認したけど、同じような感覚を受けたとのこと。
機械で計測して、違いを明確にしたり、二重盲検とかまですれば、違っているかどうかがはっきりするとは思うけど。。。
なんで?
ホントに音の色が変わる理由が分からない。
心の中で
「なんで音の色が変わるの?」
「データは変わらないよ。」
「再生環境もほとんど変わらないよ。」
「変わるとしたら、データのやりとりをするハードだけだよ。」
「もしかしてNICの特性?」
とざわざわと考える。
DLNAクライアント側のメモリ中にあるデータは同じで、再生時に音の色が変化する原因はなにか。
とってもモヤモヤする。
ただ、モヤモヤするからといって、オーディオマニアではないので、先には行きたくない。
「だって、とっても深そうな淵が見えるんだもの。」
これを見た誰か、試してみてください。音の色が変わる理由。追求できる方がいたら、追求してみてください。
オーディオ面白いけど、怖い。