はじめに
これは、セカンドライフ技術系 Advent Calendar 2019向けの記事です。技術的な内容かどうか少し疑問なのだけど、紹介的なのをちょっと書いてみました。
Steam Linkはもともとはハードとして存在していましたが販売終了に伴い、ソフトウエアとしてスマホやタブレットなどのOS(Android/iOS)で使えるようになりました。 今回は、そのSteam Linkを使用してPCにログインしSecondLifeのViewerを使う紹介をしたいと思います。
なお、インストールや細かい設定については触れません。
Steam Linkとは
Steam LinkとはPCにリモート接続してゲームをするためのものです。PCのGPUのエンコーダーを利用し、配信し端末側のGPUでデコードさせ高速なミラーリングが可能となっているものです。 サウンドについても端末側に仮想サウンドデバイスを作成し、PC側からを転送することによってそれを実現しています。
にあるように もともとSteam Linkというハードが存在していました。それのソフトウエア部分をいろいろな環境で使えるようになっており、現在では、Android,iOS,Raspbianで使用が可能になっているようです。
apps.apple.comVNCの高速なやつとか言えば、ピンとくる方もいるかも知れません。
使うにあったって必要なもの
Steam Linkを使ってPCでSecondLifeをするにあたっては、以下のものが必要になります。
- Steam
- キーボード
- マウス(必要に応じて)
- 高速で安定的な宅内LAN環境、インターネット環境
そもそもSecondLifeをするためにはある程度のGPUを積んだPCが必要であることを前提にしています。
日本語でチャットをするためには、キーボードが必要です。スマホのOS側でソフトウエアキーボードが提供されますが、日本語のものが使えませんので、日本語でチャットをする場合は、半角/全角キーのあるものかUS配列の場合はPC側のOSに応じたもの(ALT+`とかCtrl+Space)でIMEの入力モードを変換する必要があります。もちろん、タッチ操作をしPCのマウスポインタの操作での変更でも可能ですが、あまり実用的ではありません。
私見になりますが、マウスもほぼ必要かと思います。PCの操作をすることになるので、タッチパネルでマウスポインタを動かしクリック等の操作はできることはできますが、それのみでのPC側の操作には難しいと思われることが色々とあります。
また、仕組み的にPCの画面を圧縮等をして転送するものですから、それなりの通信容量が必要となってきますので、高速で安定したLAN環境が必要となります。 外部からの通信にも対応していますので、外部からPCに接続する場合、インターネット環境もある程度のものが必要となります。
条件
PC側でSteamが起動していることが条件です。PCを起動しなければなりませんが、WoLに対応していますので宅内での使用であれば、その設定をしているのであれば、わざわざ手動でPCを起動する必要はありません。 しかしながら、当方の環境での確認のみになりますが、Windowsの場合、単なる起動と再起動では、動きが違うようで、再起動してしまうとログインしないとSteamが起動しません。そのため、接続時のPCの再起動には注意が必要です。
また、外部から接続する場合は、PCを起動した状態にする必要があります。VPNを設定する必要はありません。 しかし、Steam Linkのみでの使用は接続できなくなるリスクが高いので、リスクに対応できるようVPNでリモートデスクトップできるような環境を構築しておくか、リスクを許容し、つながらなくなったら仕方ないと受け入れるということをしておく必要があります。
利用シーン
利用シーンについては、PCとディスプレイから離れて利用できるので、使用者の環境に応じて、いろいろなシーンが考えられます。
例えば、
宅内では、
などなど使い方は色々考えられます。
外出先では、
- カフェ
- 実家に帰省した際に使用する
などなど。
いろいろな機器と組み合わせてPCとディスプレイから離れたところでの使用が実現できますので、環境に合わせて試してみるのもよいかと思います。
実際に使ってみた感想
以下の環境で試してみました。
- 宅内LAN(2.4Ghz,IEEE802.11n)
- PC(windows 10 Professional)
- スマホ(Huawei nova lite 2)
キーボード(Bluetooth)
Steam Linkの設定
- ストリーミングの品質:美麗
- 解像度の上限:ディスプレイ解像度(1920x1080)
感想については、普通に使えます。マウスを使用しなかったので、Viewerを起動するまでの操作にイライラしました。PCの画面をミラーリングしているのですが、フォントが小さいので拡大させたりする操作とタッチでマウスポインタを動かす操作が必要となり、慣れていないこともありストレスが溜まりました。 遅延については、ブロックノイズがでることもなく普通に動けますし、キーボードの入力も気になるほどではありませんでした。
使用したViewerは全画面表示にして、FirestormでUIのサイズを2倍にしています。公式Viewerを使用してみたところ、UI等が小さすぎて操作に無理がありました。
はまった点は、steam のライブラリに登録してからViewerを起動するとなぜか描画がカクカクします。そのため、steamのライブラリからの起動はせずにBig Pictureモードを抜けて通常のPCのデスクトップを表示させ、全画面表示にして起動しました。そうするとエンコーダーが違うのになり使用に問題がなくなりました。使用しているエンコーダーについては、Steam Linkの設定で高度なストリーミング設定のオーバーレイパファーマンスで詳細を表示にするとデバック表示になり確認することができます。遅い場合などは表示させてみるのもありです。
次に以下の環境で試してみました。
- LTE回線
- PC(windows 10 Professional)
- スマホ(Huawei nova lite 2)
キーボード(Bluetooth)
Steam Linkの設定
- ストリーミングの品質:高速
- 解像度の上限:ディスプレイ解像度(1920x1080)
感想については、ほんとに普通に使えます。遅延については、ブロックノイズ等の画面の乱れも時折あるもののほとんど気にならない程度でした。しかし、動き回ると通信量も増えて最大で6Mbps程度でした。数分使用しただけで、130MByte使っていました。Steam Linkの設定帯域幅制限もできますが最低限が3Mbit/secです。長時間の使用にはあまり向かないように感じます。
どちらの場合も特に問題なく使用できました。
宅内LANでの使用時のスマホをキャプチャしてみました。マウスだけPCので操作しています。すごく荒いけど参考程度に。
最後に
Steam LinkはPCとディスプレイから離れて操作できるのでとてもすばらしいです。 実家に帰省した際に実家の回線を使用した際にどうなるか確認してみたいなと思いました。 個人的にはモバイルのViewerいらなくなるかもとも思えるぐらいでした。。。