なんとなく

誰得感満載な記事が多いかも。Mono関係とLinuxのサーバ関係、レビューとか。

Steam Linkはリモートデスクトップ接続と同様に使えるか確かめてみた

20190113追記

Steam Link for Raspberry Piについて試してみたので別記事にしました。

takeshich.hatenablog.com

20181228追記 20180602追記

  • アプリのSteam Linkではなく、ハードウェアのSteam Linkについての記事です。
  • 問題点がいくつか修正されて使えるようになってきたため、打ち消し線を入れました。

Steam LinkがSteam ハードウェア オータムセールで90%引きで680円だったので、欲しくなった。 いろいろ調べるともしかすると現状のリモートデスクトップ接続の不満点を解決できるかもしれないと思えてきた。

残念なことに買おうと思った時には売り切れになっていたので、ヤフオクで買った。

そこで、通常使用できるかどうか、Steam Linkはリモートデスクトップ接続と同様に使えるか確かめてみた。

【国内正規品】 Steamリンク

【国内正規品】 Steamリンク

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Valve(販売元デジカ)
  • 発売日: 2016/11/24
  • メディア: Video Game

Steam Linkとは、どういうものかというと以下引用がイメージしやすい。

Steam Linkはお使いのゲーミングコンピュータからの映像をそのままテレビへとストリーミングするという、ご自宅に既にある強力なマシンを利用する設計になっています。リアルタイムにコントローラの入力が送受信され、映像と音声データがコンピュータからSteam Linkへと送信されます。実質的に、お使いのコンピュータで動くあらゆるゲームがSteam Linkを使ってテレビでプレイすることが可能です。 Steam:Steam Link

まとめ

最初にまとめを書いておく。詳細については読み進めてほしい。

  • 通常PC上で遊んでいるゲームを時折TVで遊ぶという場合にSteam Linkを使用するだけであれば、問題なく使える。
  • Steam Linkでリモートデスクトップ接続と同様に使えるかについては、Steam Link単体では難しい。だいぶ使えるようになってきた。
  • リモートデスクトップ接続と同様に使えるようにするための回避方法をまとめた。

購入した目的

当方のPC環境は居間のTVにAVアンプを介してPCを出力させているけれども、主たる操作は別の部屋からRaspberry Piを使って、そのPCにリモートデスクトップ接続するというもの。以下のリモートデスクトップ接続への不満があった。

リモートデスクトップのクライアントから

  • PC上の音楽を聞くのに難がある。(できないわけではないが、リモートデスクトップのクライアントが落ちたり、遅延による音切れすることが多かった。)
  • PC上の動画を見るのに難がある。(できないわけではないが、カクカクして見るに堪えない)
  • 3Dのゲームができない。

接続先のOSをWindows 10 Enterprizeにするとリモートデスクトップ接続でもグラフィックボードが使えるなど上記不満点を解消できるようではあったが、当方のOSはWindows 10 Professionalで、調べたところ、変更するための購入にも手間とそれなりの金額(数万円レベル)がかかることがわかり、手を出せない状況であった。

しかし、Steam LinkはPC上のゲームをストリーミングで受けており、詳しい仕様がどこにも書いていない状態ではあるが、リモートデスクトップのような感じで使えるようなことも書いてある記事が幾つか見つかった。そのため、680円で買えないにしても、ヤフオクで送料を入れても3000円程度であり、不満を解消できるのであれば、もしそれが叶わなくても「仕方ないか」で済ませることができる程度であったので、購入することにした。

届いたSteam Linkにキーボードとマウスを接続して、PCに接続することはできた。設定も説明されなくてもわかるという程度で、親切に作ってあるようにみえた。 コントローラーが必要な雰囲気ではあるが、必須というわけでもなかった。

Steam Linkはリモートデスクトップ接続と同様に使えるか?

購入した目的にあった使い方はできたのかというと目的は達成した。しかし、残念ながらそれ以外の部分で数多くの工夫が必要だった。 20180602追記 最近の改修で問題点が解決し始めた。

Added support for connecting to locked Windows computers, as long as Steam is running and you have access to a keyboard. Added support for interrupting a remote desktop session. Connecting will show the login screen when an RDP session is active, and logging in will disconnect RDP and start streaming the desktop normally.

https://store.steampowered.com/news/40244/

達成した目的

  • 有線LANによる接続であるため、遅延などはほとんどなくPCの音楽や動画を見ることができた。

デバッグ情報をオーバーレイさせてみたところグラフィックボード上のエンコーダ(NVenc)を使用しているようだった。30Mbit/sec 程度の通信量だった。遅延は15分に1度程度あるかないかぐらいであった。

  • 3Dのゲームは問題なくできた。

VirtualHereというUSBをネットワークに乗せる技術があり、それに対応していたのでPC上で一度認識し、ドライバーがインストールされたコントローラーであれば、Steam LinkのUSBポートにそのコントローラを指し、共有することでPCにそのコントローラーが接続されているように見せることができ操作できた。ハンドルコントローラーを使用してみたが特に違和感なかった。しかし、VirtualHereを別途購入する必要があった。

使用に当たっての問題点

購入した目的は達成できたのだが、通常運用にはそれ以外で以下の問題が生じた。

  • Steam LinkからWakeOnLANできPCが起動するが、Steam LinkからPCにログインできない。
  • ユーザーアカウント制御の通知でロックしてしまい、ストリーミングが中断し、Steam Linkだけでは回復できない。
  • 画面ロックでロックしてしまい、ストリーミングが中断し、Steam Linkだけでは回復できない。
  • タスクマネージャーでロックしてしまい、ストリーミングが中断し、Steam Linkだけでは回復できない。モダリティのためかマウスによる制御がおかしくなる。
  • 日本語キーボードをSteam Linkに指しても、日本語キーボードとして認識せず、打てないキーがある。
  • マウスの操作が怪しくなる時が結構ある。

    • マウスが画面中央に自動的に動く。
    • マウスが画面左下に自動的に動く。
    • マウスのクリックがおかしくなる。(常に押下状態)
  • USB切替器を使うとVirtualHereがうまく再接続してくれない場合がある。

問題点への対処方法

ログインできない。

PC上でSteamが起動している状態になって初めてSteam Linkに対してストリーミングが可能な状態となるので、ログインしている必要がある。 しかし、Steam LinkからWakeOnLANできPCを起動させることはできるが、ログインができない。。。

対処方法としては、

  • PCに予めVNCサーバをインストールし、必要な設定をしておく。
  • WakeOnLANやその他の方法でPCを起動する
  • 別端末(スマホタブレット、RaspberryPi)からVNCクライアントを使用し接続し、ログインする。

なお、自動ログインにできる場合はそちらにしても良いかもしれない。 しかし、ロックしてしまうための対処法の一つも上記になるため、当方はこちらをお勧めする。

ロックしてしまい、Steam Linkだけでは回復できない。

対処方法は、上記の対処方法と同様別端末からVNCクライアントを使用し接続し、操作する。

タスクマネージャーでモダリティのためかWindowがマウスで操作できなくなる場合がある、タスクマネージャー以外でも管理者権限が必要なものなどで発生する。マウスが表示されたWindowに対して効かなくなるだけなので、キーボードでAlt+TabとAlt+F4のショートカットを使うとWindowsを閉じることができるし、TabやSpace、そして矢印キーで操作ができる。それで回避する事ができる。

ただ、インストール時などにも発生し、やはりVNCクライアントの使用をなくすことができないと感じているが、使用頻度は極端に少ない。最悪、リモートではなく、実機に行って操作すればいいので、そこは運用次第なのかもしれない。

日本語キーボードとして認識しない

Steam Link は、日本語キーボードを接続していても、日本語キーボードとしては認識しないため、|や\そして_が打てない。 対処方法としては、

  • VirutalHereを購入する。
  • Steam Linkでキーボードを共有する設定をする。

キーボードを共有するとUSBをネットワークに乗せる技術があり、PCには日本語キーボードを指しているようにみえ、|や\そして_が打てるようになる。

キーボードを使う必要のある日本語環境の場合、必ずと言っていいほどVirtualHereを購入する必要がある。(|_が打てないのを許容できる場合は別)

しかし、Steam Link上で認識しないコントローラーを使用せず、キーボード1つの接続だけなら、以下のようにsshでつないでサーバを上げてしまえばいい。

steamcommunity.com

SteamコントローラーなどであればSteam Link側で認識できるためVirtualHereを購入する必要はないが、日本語キーボードに加えてSteam Linkで対応していないコントローラー使用する場合はVirutalHereの購入は必至と思える。はじめからライセンス付きであってほしいと思った。

マウスの操作が怪しくなる時

どうもこれは、AVアンプの設定が原因だったようで、Steam LINKの問題ではなかった*1

対処方法としては、

  • ストリームを停止する。
  • 再度接続する

それでもだめな場合は、以下のいずれかを試してみる。

  • VNCクライアントを使用し、Steamを再起動してみる。
  • VNCクライアントを使用し、サインアウトし、サインインしてみる。

最終的には、PCもしくはSteam Linkを再起動してみると治る。

1ヶ月ほど使用してみて、マウスの誤作動が数回あり、比較的多く感じた。

USB切替器を使うとVirtualHereがうまく再接続してくれない

VNCクライアントで対処する場合、USB切替器を使用するとVirtualHereで一度接続が切れることになるが、自動的に再接続されない場合がある。

対処方法としては、

PC上でタスクトレイにあるVirtualHereクライアントを右クリックし、showを押下、再接続されなかった機器をクリックすることで、手動で接続する。

その他気になる点

  • 文字が滲む。圧縮するため文字が滲む。特にボールドや赤が気になる。
  • Raspberry PiとSteam LinkでUSBの機器を共有するためUSB切替器を使用している。ディスプレイの切り替えはHDMI切替器で切り替えている。 ロックしてしまった場合の対処方法として、切り替え動作が2度になるのはちょっと面倒である。

最後に

個人的には、工夫によって目的を達成できて快適になったので良かったと思うが、リソースの使用率を確認するためにタスクマネージャーを起動するのを面倒臭がるようになってしまった。USB切替器で切り替え、HDMI切替器で切り替え、それを確認し、再度USB切替器で切り替え、HDMI切替器で切り替えるという作業が発生するからだ。頻度は少ないけどないことはない。ただ、それ以上に音楽が問題なく聞けたり、動画が普通に見れたり、ゲームが普通にリモートできることは意義があったようだ。

Second LifeのViewerを操作するのにVNC等をいろいろ試したが通常使用に耐えるほどではなかった。Steam Linkはそれに耐えうるので買ってよかったとは思う。ただ、工夫が必要で、Steam Link単独では用が足りないのはどうにかならないものか。。。